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2015年 01月 17日
「総選挙の結果と消費税10%増税阻止の展望」
 17日、「消費税をなくす高知県の会」で学習会の講師。テーマは「総選挙の結果と10%阻止の展望」。その報告要旨を掲載させていただきます。読者のみなさんに参考にしていただければ幸いです。今年を10%阻止、安倍政権打倒の歴史的な年にしましょう。
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「総選挙の結果と10%増税阻止の展望」
             2015年1月16日 常任世話人 春名なおあき

■総選挙の結果をどうみるか
1、「安倍政権圧勝」は虚構
○議席は改選議席比で3名減(293→290)。小選挙区の得票率48%(全有権者比24%)、比例は33%(17%)に過ぎないのに議席数は75、3%。「300に届かなかった」「共産党が伸びた」「枝野が落ちなかった」と八つ当たりする安倍首相。「次世代の党」が壊滅したことにたいし「安倍政権に影」(産経)。「みんな」がなくなり、「維新」も大後退したことで、前のめり暴走がしにくい事態に。
○もともと総選挙に打って出たのは、「いまのうちにやらないとどんどん支持が離れる」というものだった。この構図は何ら変わってない。消費税10%増税に「反対」が57、5%(共同通信 選挙直後の世論調査)
○そのうえ選挙では、アベノミクスの自慢話ばかり、消費税増税の是非は争点からそらす姑息な選挙だった。

2、共産党の躍進、沖縄での完勝
○8→21。議案提案権獲得(さっそく政党助成金廃止法案を提出)、党首討論に11年ぶりに復帰、17常任委員会すべてに委員を配置、うち11委員会は複数に。発言時間もぐんと増える。国民運動を励まし、要求実現の大きな力に。「消費税先送り増税ではなくきっぱり中止を」を掲げた共産党が唯一躍進したという事実に国民の明確な意志が示されている。
○沖縄では、名護市長選挙、名護市議選挙、県知事選挙での勝利に続き、4小選挙区すべて完勝。不動・不抜の沖縄の意志を示した。ところが辺野古心基地建設工事費に185億円計上、「まったく支障はない」「たんたんとすすめる」(菅官房長官)。翁長知事に会わず、沖縄振興費を1割削減。「信賞必罰は必要と」と暴言。独裁者のいじめそのもの。
                       
■消費税とはどんな税か-貧困と不公平を拡大する悪魔の税金
⑴消費税の基本的仕組み
○納税義務者は「業者」。税を払う「担税者」の規定はない。消費者だけが払っている税金ではなく法律上は誰が払ってもよい税金である。それは事業者同士、あるいは事業者と消費者の力関係で決まる(つまり、弱いほうが負担する)。
*消費者がすべて消費税を払っているというたてりになっているが、実態を見ることが重要。転嫁できない場合は業者が自腹を切って払う。納税義務者の事業者自身が負担せざるをえない実態を見れば消費税は「直接税」という側面もある。また消費者にとっては消費税分が上乗せされ物価が上昇し負担が増大する。消費税は消費者と中小小売業者がほとんど払っている。逆に強いものはまったく負担しなくてよい税金。
*「消費税5%分をすべて転嫁できている」67%(年間売り上げ2億円以上)、29%(同500万以下)(日本商工会議所など中小4団体 2011年調査)
*アメリカの州にある「小売り売上税」。小売業者が最終消費者に販売する場面だけにかかる税金で、消費者が負担するもの。外税で消費者に商品を売ったときに消費者から税を預かり、その預かった税金をそのまま手つかずで州当局に納める「間接税」。
○業者が払う消費税の額の決定の仕組み-一年間の売上高×8%-一年間の仕入れ高×8%(「仕入れ税額控除」)。

⑵中小業者破壊税
○赤字でも確実に払わねばならない税金。所得税、法人税との決定的違い
○A業者の場合
*売り上げ4000万、仕入れ3000万、経費(人件費がほとんど)1000万とする。利益はゼロだが消費税は80万(4000万×8%(320万)-3000万×8%(240万)=80万(5%のときは50万)払わされる。
*消費税の滞納が多い理由は、赤字でも容赦なく税が決まって払わされるから。

⑶輸出大企業恩恵税
○8%の他にゼロ税率という仕掛けがある。輸出品はゼロ税率が適用される
○B会社の場合
*一年間の売り上げが1000億の企業。500億が国内売り上げ、500億が輸出販売、仕入れ高が国内、輸出用合わせて800億とする。国内売り上げ高に対する消費税は500億×8%=45億円、輸出販売に対する消費税は500億×ゼロ%=ゼロ。合計45億円。仕入れにかかる消費税は64億円(800億×8%)。45億円-64億円=-19億円。すなわち19億円還付される。5%のときは同様の計算で15億円還付。
○一年間の輸出大企業への還付金は約2、5兆円。消費税収入10兆円(5%時)のうち25%にものぼる。輸出大企業をもうけさすために消費税を払っているようなもの。

⑷非正規雇用促進税
○控除できる仕入の中身は、交通費、通信費、消耗品、家賃、修繕費、通信費、機械購入費など消費税が課税される経費。人件費は控除の対象にはならない。人件費が大きい企業は消費税の納税額が増える。
○消費税の納税額を減らすためにどうするか。正規の労働者を減らし、その分を派遣社員や外注でまかなう。この派遣会社への支払いや外注費は控除対象になる。10%増税はますますリストラを促進し、非正規雇用を拡大する労働者にとって悪魔の税金である。

⑸医療機関崩壊税
○「非課税品目」は、医療、介護、出産、身体障害者用の特殊な物品、学校の事業料、教科書、墓地や埋葬など。医療では、患者さんの診療代は非課税。
○ところが薬、機材、白衣、事務用品すべて課税されている。この分はすべて医療機関の持ち出しになる。全国自治体病院協議会の調査では、負担額は平均で年間1億円以上。500床以上の病院では3億円以上となっており、同会会長は「現在でも経営は青息吐息であり、さらなる増税は経営への影響が大きすぎてなりたたない」と。

⑹貧困促進税=収入が少ない人ほど重い負担(逆進性)
○低収入の人ほど食費などの比率が高くなり、相対的に負担がふえる。逆進性が避けられない税制。だから「低所得者対策」「給付付税額控除」「軽減税率」などのとりつくろいが出てくる。
○「軽減税率」のまやかしについて
*ペットボトルの水を例に。消費税率10%として、仮に水が軽減税率対象で5%とする。中の水は5%でも、ボトルの容器、キャップ、製造に当たっての電気代、包装の印刷代、運賃等は10%が適用される。だから軽減されるのはわずか。消費税法上の価格決定権は企業にある。いくらにするかは企業任せ、企業におすがりして下げてもらうしかない。現行消費税8%で150円のペットボトルは、仮に軽減税率5%だと145円50銭となるがその価格に下がる保障もない。
*低所得者対策というのもまやかし。飲食料品などの軽減税率は低所得者にも高額所得者に適用される。可処分所得が少なく毎日の生活費に事欠くような低所得者の購入する飲食料品より、高額所得者の購入する飲食料品等が多く、その効果は逆進的に進む。軽減税率は高額所得者をますます潤わせるだけで低所得者対策にはならない。
*そのうえ軽減税率は8%という。なんのことはない、10%にせず8%に据え置けばよいだけのこと。

■消費税10%増税の理由付け・根拠は総崩れに
1、「社会保障のため」
○一連の改悪を見れば「社会保障のため」は通用しない
*介護報酬2、27%引き下げ。「施設の収益が上がったから」「介護職員一人当たり月1、2万円の賃金補助も実施するから大丈夫」と。「空きが出るとすぐに次の高齢者を迎え入れる努力をした結果、収益が少しよくなったからといって介護報酬を削減することには納得できない」との怒り。賃金補助対象は介護職員に限られ、ケアマネ、調理員などを含めた人件費の確保ができなくなる。
*要介護1、2は特養ホームから排除、要支援を受けにくくし、介護保険の在宅、通所介護から外す、利用料は所得に応じて1割から2割にアップする(8月以降)。
*医療費の窓口負担は、新たに70歳(~74歳)になる人から順次1割から2割負担に引き上げられる。
*後期高齢者医療制度の低所得者への「特例軽減」の廃止(2017年度)→8、5割減額の高齢者の保険料は2倍(6300円→12660円)、9割減額の方は3倍(4200円→12660円)に引き上げ。健保・共済の扶養家族だった方で後期高齢者制度に移行した方は5倍~10倍になる。この「特例軽減」を受けている高齢者は実に865万人。
*現役世代の入院給食費の費用増大。自己負担は現在一食260円→460円に引き上げる。
*紹介状なしで500床以上の大病院を受診する場合は5000円~10000円の定額負担を導入。
*生活保護の生活扶助、住宅扶助、冬季加算の引き下げ。国費330億円減額。

2、「財政再建のため」
○軍事費が突出
*2015年度の予算案。4兆9801億円で過去最高。その中身もオスプレイ(5機 一機100億以上)、水陸両用車AAV7(30両)、ステルス戦闘機F35(6機)、無人偵察機グローバルホーク、新イージス艦など。
*そのうえ14年度補正で2110億円、13年補正から倍増。辺野古への基地建設費用、アメリカ空母艦載機部隊の岩国への移転に伴う施設整備費など。
*2014年の日本側在日米軍駐留経費負担額は6739億円(うち思いやり予算は1848億円)。兵士一人当たり1240万円。国民には消費税増税を押し付け米軍にはひたすら奉仕・思いやる。これを“アベコベ政治”といわずしてなんというのか。
3、真の狙いは大企業減税のため
○2014年度 復興特別法人税の一年前倒し廃止と投資減税で1、5兆円の減税
○2015年度 税制改革案と予算案にその証拠を見る
*法人税を15年度2、51%、16年度と合計で3、29%引き下げる。1%で5000億円の減収となる。その財源として中堅・中小企業を苦しめる外形標準課税(利益がなくても資本金や給与総額などで課税額を決めるもの)。現在資本金1億円以上の企業に適用する。23278社あるが、赤字の6401社で総額1020億円の増税になる。つまり儲けている企業はよりもうけ、赤字の企業は負担増に苦しむ構図。さらに、一億円以下の中小企業も対象にするように見直す方針。それでも今回は、減税分を穴埋めが4000億円足らないので消費税増税を当て込む方針。

■増税中止へ今年が正念場―その展望と条件は大きく広がっている
1、そもそも1年6か月延期をせざるを得なかったのは、国民の怒り、批判を恐れたものであり、経済が失速するという冷厳な事実が突き付けられたから。この状態はなんら変わっていない。

2、やろうとしていること(アベノミクス)は先がない
○12月9日に発表されたOECD報告書「格差と成長」。
*所得格差が経済成長を損ない、所得格差を是正すれば経済成長は活性化される。
*「格差の抑制や逆転を促す政策は、社会の公平化につながるばかりでなく、富裕化にもつながり得る」
*過去30年でOECDに加盟する諸国の大半でトリクルダウンは起こらず、富裕層と貧困層の格差が最大になった。なかでも1%の超富裕層をはじめとした最上位の富裕層の平均所得が特に増加していると同時に、下位10%では好況時の伸びがはるかに緩やかな一方で不況時には落ち込み、相対的所得貧困が指摘される。
*日本の場合この格差拡大によってこの20年間で経済成長が5、6%も押し下げられたと分析。
*なぜ格差が成長を押し下げることになるのか。「人的資源の蓄積を阻害することにより、不利な状況に置かれている個人の教育機会を損ない、社会的流動化の低下をもたらし、技能開発を妨げる」ため。

3、今後のスケジュール
○通常国会(1月26日)に「消費税法改悪案」を提出(2月上~中旬)。2015年10月からの10%増税を延期し、2017年4月実施と変更。附則18条の「経済状況を勘案し」を削除する、という2つの改悪を予定している。審議は2月下旬の模様。まずこれを許さないたたかいに全力を挙げよう。

4、実施(2017年4月)までにはまだ2年3か月ある
○必ず行われる全国的選挙が2015年4月いっせい地方選挙、2016年7月参議院選挙。ここで10%ノーの国民的審判をくだそう。
○地方から増税阻止の共同を思い切って広げよう。10%はまずい、と考えている方は多い。保守的な団体、自民党の集票機構のような団体でもその気分は強い。経済が好転しなければ、その思いはいっそう増す。経済の好転は今の路線を突き進めば絶対にありえない。
○竹下内閣、村山内閣、細川内閣、橋本内閣、菅内閣など、すべて増税関連で窮地に陥ったり、内閣総辞職に追い込まれたり、総選挙で敗北して内閣が崩壊している。79年総選挙で共産党41議席(革新共同含む)へ大躍進し、大平氏が狙っていた増税を阻止。「共産党勝って増税なしサンキュー」。今度も共産党が躍進した。なくす会の粘り強い運動と一体になって安倍政権を追いつめ、必ず10%増税を阻止しよう。
                                   以上
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by haruna-naoaki | 2015-01-17 10:03 | Comments(0)