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2014年 04月 20日
集団的自衛権ってなに?
今日は集団的自衛権問題である支部に出かけて学習会をおこないました。参考にしていただければとそのレジメを掲載します。戦争する国を断固拒否する大きな共同を広げていきましょう。

集団的自衛権ってなに?いまなぜ集団的自衛権行使?
―日本国憲法の先駆性と世界の流れからその誤りを学ぼう
         2014年4月20日 元衆議院憲法調査会委員 春名直章

■「集団的自衛権」ってなに?
①「集団的自衛権は、自国と密接な関係にある他国に対する攻撃を、自国に対する攻撃とみなし、自国の実態的権利が侵されたとして、他国を守るために防衛行動をとる権利である」。「個別的自衛権」(自分の国が侵略を受けた場合に自衛する権利)に相対する言葉。

②1945年の署名発効の国連憲章第51条ではじめて明文化
 ○「この憲章のいかなる規定も、国際連合加盟国に対して武力攻撃が発生した場合には、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間、個別的又は集団的自衛の権利を害するものではない」。

③国連憲章にこの項目がなぜ入ったのか
○国連の考え方は、平和と安全の問題を各国の独自の判断に任せる個別的安全保障では結局平和は守れなかった。この痛切な反省の上に「集団安全保障」という考え方が生まれ、その具体化として国連が作られた。各国が勝手にいろいろな理由をつけて武力行使、戦争することを強く戒めた。

○国連憲章では、①第2条4項「武力による威嚇または武力の行使を、いかなる国の領土保全または政治的独立に対するものも、また、国際連合の目的と両立しない他のいかなる方法によるものもつつしまねばならない」と明記。そのうえで、②39条「国連安全保障理事会は平和に対する脅威、平和の破壊または侵略行為の存在を決定し並びに国際の平和の及び安全を維持しまたは回復するために、勧告をし、または41条及び42条にもとづく行動をとる」と国連安保理で認定・決議し、③41条「非軍事の手段で」不届きなものは解決する(経済制裁など)。それでも難しい場合に限って42条「軍事制裁」をすることもありうる、とした。

○そのうえで、51条「個別的集団的自衛権の権利を害するものではない」とした。しかしその自衛権の行使も「武力行使が発生」してから「安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間という時間的制限を設けている。「自衛権」という名前で勝手に戦争したり武力行使したりしない、それを極力制限する、集団安全保障という考え方を徹底した。

○なぜ国連憲章にこんな理念と違うことが盛り込まれたのか?
*44年8月ワシントン郊外で開催されたダンバートン・オークス会談での国連憲章の基本構想は「個々の加盟国が自国の判断で武力を行使することは許されない」という立場を打ち出した。個別的も集団的も「自衛権」という言葉すらなかった。―ところが、この案を審議する50か国代表によるサンフランシスコでの会議の場(45年4月25日)で初めて51条が提起された。
*45年3月下旬から4月上旬にかけて、アメリカが自分の国の「裏庭」とみなしていた米州機構(軍事同盟)に加盟しているラテンアメリカの20か国との間で、「アメリカ国家(米州機構加盟国)の領土の保善及び不可侵ならびに主権と政治的独立に対するすべての攻撃は、本宣言のすべての署名国に対する侵略行為とみなさされる」という米州条約を締結していた。国連憲章がこのままでできてしまうと、この米州条約が効力をなさなくなってしまう。
*そこでアメリカは「自衛における集団行動の権利」とか「集団的あるいはグループによる行動の権利は武力攻撃が生じた場合にのみ発動される」と、国連憲章との「整合性」を取りながらこの文章をいれてしまった。アメリカは、軍事同盟をむすんでいる国にたいして武力攻撃があった場合に、国連が必要な措置をとるまでの間、国連安保理の承認を得ないでもこれに介入し武力行使ができるという「権利」を発明した。

○この規定を根拠にして集団的自衛権行使の体制づくりとして以後世界中に軍事同盟がつくられた。北大西洋条約機構(1949年)、東南アジア条約機構(54年)、中央条約機構(59年)、安保条約(52年)、ソ連はワルシャワ条約機構(55年)などを次々結成。世界は際限のない軍拡競争の時代に突入。

○いままでこの集団的自衛権の名で、おこなわれてきた戦争はほとんどすべてが侵略戦争である。ベトナム侵略戦争、グレナダ侵略、アフガニスタン侵略など。

④日本政府はどういう見解をとってきたか
○「国際法上、国家は、集団的自衛権、すなわち、自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、実力をもって阻止する権利を有しているものとされている。我が国が国際法上、このような集団的自衛権を有していることは、主権国家である以上、当然であるが、憲法第9条の下において許容されている自衛権の行使は、我が国を防衛するための必要最小限度の範囲にとどまるべきものであると解しており、集団的自衛権を行使することは、その範囲を超えるものであって、憲法上許されないと考えている」(81年5月政府見解)

○自衛権発動の3つの要件
①我が国に対して急迫不正の侵略があったこと、②これを排除するために他に適当な手段がないこと、③その急迫不正な侵害を排除するために必要最小限の力の行使にとどまるべきこと(吉国一郎内閣法制局長官の答弁 73年6月21日)。集団的自衛権は、必要最小限の力の行使を超えているので使うことはできない。

■集団的自衛権行使論の一番の目的・狙いはなにか

①ズバリ海外で武力行使をどうしてもできるようにしたい。そのアメリカの要求に応えたい。

②いままで6つの海外派兵立法が強行されてきたが超えられない一線があった。
○PKO協力法、周辺事態法、テロ特別措置法、有事法制、イラク特措法、そして海賊対処法。憲法じゅうりんの海外派兵立法が次々。しかし9条、とくに2項があるためにこれらの法律をつくってもどうしても越えられない一線があった。つまり海外での武力行使(それとみなされる行為)である。

○イラク特別措置法―戦争状態のイラクに自衛隊が上陸し、米軍を支援する法律。「ブーツオンザグラウンド」の要求に沿ったもの。初めて戦闘地域に自衛隊が足を踏み入れた。ところが憲法9条があるために、「武力による威嚇または武力の行使に当たるものであってはならない」(2条)「現に戦闘行為が行われておらず、かつ、そこで実施される活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる地域」に限定した。つまり、そこへいっても戦争はしない、武力行使はしない、と条文に明記。そのために「非戦闘地域に限って自衛隊は行く」とか、兵站活動ではなく「医療とか、建物の修復とかしかやらない」と取り繕ってきた。小泉が有名な言葉を吐いた。「全土が戦闘地域のイラクにいくのは武力行使と一体化するもので憲法違反」との追及に「自衛隊がいったところが非戦闘地域だ」。

○テロ特別措置法―アフガニスタンに空爆を展開している米軍艦に給油など支援する法律。イラク特措法と同様に2条「武力による威嚇または武力の行使に当たるものであってはならない」、「現に戦闘行為が行われておらず、かつ、そこで実施される活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる地域」。しかしやっていることはミサイルを発射している米艦船への給油。これは武力行使と一体とみなされるので、「一発目のトマホークと二発目のトマホークを発射する合間に給油すれば武力行使と一体ではない」との珍答弁も飛び出した。

○周辺事態法―周辺で我が国の安全を脅かす事態が進展した時、米軍とともに医療、物資の輸送などで行動する。しかしそれが兵站活動として武力行使と一体とみなされてはまずい、と「後方支援」(兵站)ではなく「後方地域支援」という特異の概念を持ち出してごまかしてきた。
③憲法解釈の変更で集団的自衛権の行使が認められれば、この「歯止め」がすべてなくなって、日本が武力攻撃を受けていなくても武力の行使が可能になる。安倍首相も否定できず。これがどんな事態をもたらすか。アフガニスタン戦争で集団的自衛権を行使して参戦したNATOの国々の兵士1000人以上が犠牲になっている。

④集団的自衛権の「限定行使論」の誤り
○「集団的自衛権の行使といっても無制限に行使するわけではない。わが国の存立を全うするために必要最小限のものに限定して行使する」(高村自民党副総裁)

○「我が国の存立」にかかわるか否かを判断するのは時の権力である。海外での武力行使への憲法上の歯止めをなくすということは、時の政権の政策判断で講師の範囲は無制限に広がることになる。石破幹事長は「地球の裏側まで行くこともありうる」。

○根拠に「砂川事件」最高裁判決(59年)をつかおうとしている。判決文には「国の存立を全うするために必要な自衛の措置」という文面が出てくるが、ここに集団的自衛権をも含まれるとの解釈。この裁判は在日米軍の存在が憲法9条に違反するのではないかが争われた裁判であり、判決文のどこを読んでも個別的自衛権にかかわる記述はあっても集団的自衛権の行使の手掛かりになるような内容はない。
○もしこの判決が集団的自衛権の行使を容認するものであったら、政府自身の解釈もこの最高裁の決定に拘束されて、その後の憲法解釈を変えてきたはず。しかしまったく今日まで問題になっていない。あまりにも集団的自衛権行使が憲法9条と相いれないので、ごまかすための悪あがきである。

⑤安倍政権の「海外で戦争する国づくり」の全体像

①9条を改変して、これまでの海外派兵立法の歯止めを取り払い、自衛隊が戦闘地域にまで行って米軍とともに戦争行動ができるようにすること。

②自衛隊の在り方を、これまでの「専守防衛」という建前すら投げ捨てて、海外派兵の軍隊へと大改造すること。
*新「防衛計画の大綱」―陸海空自衛隊が海外に迅速に持続的に展開できる能力の構築をすすめるもの。オスプレイ12機、水陸両用車、無人偵察機、新型空中給油機などの購入。そのために5年間で24兆6700億円の軍事費を投入する。
*武器輸出三原則を取り払い「防衛装備三原則」(輸出解禁)に置き換えた。

③海外での戦争に国民を動員するしくみをつくる
*特定秘密保護法の強行、改悪教育基本法に沿って「愛国心」を注入・強要する教科書検定基準の改悪、教育内容への政治の介入をすすめる教育委員会制度の廃止など。

■9条~「紛争を戦争にしない」人類の知恵の結晶
①9条の理想は日本の悲惨な歴史と誤りを繰り返さない決意に裏打ちされている
○私の父の話、「新しい憲法のはなし」

②憲法9条の先駆性~20世紀は戦争違法化の歴史
*1919年 国際連盟規約「戦争できる自由」に制限を加えた。
*1928年 パリ不戦条約では戦争そのものを違法化。
*1945年 国際連合憲章―「武力行使も武力による威嚇も禁止する」と明記。
*1946年 日本国憲法。国連憲章の精神を一層前進させ武力行使、武力による威嚇を禁止、そのための戦力の保持そのものを禁止、交戦権も否認。世界の戦争違法化、平和の流れの最先端。

③中国・韓国・北朝鮮~領土・ミサイル問題などとどう向き合うのか
○「万万々一攻められたら」―自衛隊も活用し反撃、国民の命と国を守るのは当然だ。
○紛争を戦争にしない外交努力が決定的に重要―その道しるべが9条
*中国と日本の経済・文化関係の依存度はすごい。もし戦争になればお互いの国に大きな被害をもたらす。
*尖閣諸島―領有権は日本にある。道理と歴史の事実に沿った真剣な外交を。いうべきことをきちんという外交を。
*竹島―日本の領有に根拠はあると考えるが、領有を宣言した時は日本が韓国を植民地化している過程であり、外交権がなかった。双方から歴史研究のチームをつくり検証。
*北朝鮮―六か国協議に戻す外交努力を。アメリカも中国も独自の外交ルートを持っているのに日本はなにもない。

○手本はすぐ近くにある―東南アジア友好協力条約
*ASEAN(東南アジア諸国連合)が平和の地域共同体の基礎に位置づける「東南アジア友好協力条約」(TAC)への参加国が、イラク戦争開始の2003年以後、ASEANの域外の諸国に急速に拡大し、地球人口の72%を占める57カ国が参加し、ユーラシア大陸のほとんどを覆う巨大な平和の流れに。「武力行使の放棄と紛争の平和解決」を掲げている。
*南北アメリカ大陸でも、米国の孤立と平和の地域共同体への動きが広がっている。

○「北東アジア平和協力構想」の実現を
*東南アジアの経験を北東アジアにも広げよう。①紛争は平和的・外交的努力によって解決、北東アジア平和協力条約を結ぶ。②領土問題の、外交と歴史的事実による解決、③北朝鮮問題は6か国協議の再開とこれを平和の共同体の土台に、④侵略戦争と植民地支配への反省。
*東アジア首脳会議(2013年11月 EAS)18か国高官会合で2つの文書が議題に。「インド・太平洋友好協力条約」構想(日米中に東アジア首脳会議参加国に「武力行使の放棄」を法的義務として課す)、「アジア・太平洋安保・協力の原則枠組み宣言」案(ロシアが提起した集団安保条約構想が基礎。インド・太平洋友好協力条約と同様のもの)。

④侵略戦争の善悪も区別できない、反省できない人たちに、戦争できる憲法を持たせるとどうなるか。

○尖閣、竹島、どちらも、植民地化への反省、侵略戦争への反省と謝罪をおこなっていないことが問題をこじらせ深刻化させている。「従軍慰安婦は必要だった」「河野談話の見直し」「侵略かどうかはさだかでない」~戦後政治の出発点の否定。国政を担う資格が問われる問題。

■豊かな人権条項を生かし、憲法通りの国をつくろう
①30条に渡る豊かで奥深い人権条項は世界の最先端
○アメリカの法学者らが188か国の憲法を徹底比較。「信教の自由」「報道表現の自由」「平等の保障」私有財産権」「プライバシー権」「不当逮捕・拘束の禁止」「集会の権利」「団結権」「女性の権利」「投票権」「労働権」「教育の権利」など19項目を比較したが、「世界で主流になった19項目の人権をすべて満たす先進ぶり」、ある学者は「66年も前に画期的な人権の先取りをしたとてもユニークな憲法」と(「朝日」12年5月3日付)。
○ところが日本社会の現実が憲法の理想に追いついていないことが一番の問題(資料)  
○とりわけ「生存権」を保障する社会をつくろう

②9条を踏みにじり、「米軍基地国家」に落ち込み、他国への侵略拠点にさせられている現実
○従属の根源=日米安保条約を廃棄し、日米友好条約を。軍事同盟から脱した日本は非同盟諸国会議に参加し、侵略戦争への謝罪と反省の上に、核廃絶、平和的国際貢献、紛争解決へ全力を尽くす。このなかでアジアに平和的安定的な情勢が生まれ、圧倒的多数の国民が「自衛隊という常備の軍隊がなくても日本の平和は保てる」と確信した時、国民的合意で自衛隊の解消を行い、憲法通りの国に発展させる。

■たたかいはいよいよこれから~広大な共同を広げて
①96条改定は憲法の否定~大きな反撃が広がっている
 
○憲法とは―①最高法規、②主権者国民の人権を守るために権力を縛るもの(近代立憲主義の原点)。
○改正手続きについて、時の権力者の思惑で軽々しく変えられないように厳しくするのは当然で、単なる手続き論とか形式論ではなく、憲法が憲法であり続けるための根本問題。
○「一度も変えたことがない、変えやすくするのは国民の憲法を選び取る権利を保障し憲法を国民の手に取り戻すため」(自民)―バカいってんじゃないよ。変える必要性がなかっただけ。憲法を権力者の手に取り戻そうとするもの。
○真剣に憲法を変えようと考えている方々からも96条緩和に批判の声。
*「96条改定は憲法破壊論だ」(小林節慶応大学名誉教授)、「憲法で制限を受ける側の権力が憲法改正規定を変えるのは法論理的にも無理がある」「ゲームの当事者がルールを勝手に変えるのと同じ」(「96条の会」発足宣言)
○他国―アメリカ「上下院の3分の2以上の賛成による発議と4分の3以上の州議会の賛成」、ドイツ「連邦議会・連邦参議院それぞれの3分の2以上の賛成(国民投票なし)、韓国「国会の3分の2以上の賛成と国民投票」

②立憲主義否定の解釈改憲に対する保守層、改憲論者からも強い批判
○上記の小林節氏―「安倍政権はダメ。自公政権打倒」と言い出した。武村正義氏、藤井裕久氏などがどんどん「しんぶん赤旗」に登場。リベラルな保守派の人たちが自民党のなかに居場所がなくなっている。安倍自公政権が極右政党になっているから。

③9条の会などの大きな共同の広がり
○6000か所を超える「9条の会」の草の根の力。

④中国、韓国、アメリカからも懸念の声
○「周辺国とトラブルにならないでほしい」(アメリカ国防総省高官)、在韓米軍高官は「この地域にとって有益ではない」。靖国神社参拝に対し「失望した」(アメリカ国務省)

⑤勝負は国民のなかでつける
○国民投票が必ずある~ゆるぎない多数派をつくる。
◎憲法改定案を出させない、出しても国会で否決する。党が巨大な力をもって前進することが不可欠。                                                             以上
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by haruna-naoaki | 2014-04-20 23:09