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by haruna-naoaki
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2013年 02月 23日
総選挙結果を受けてー日本の行方と私たちのたたかい
「高知自治体退職者の会」学習会
   2012年総選挙結果を受けて
       ―日本の行方と私たちのたたかい       2013年2月22日    春名なおあき
はじめに
 
1、総選挙結果と情勢を大局的を見る重要性
(1)自民党が信任されたわけではない(資料①)
○自民党の議席は「虚構の多数」―小選挙区制の選挙制度のなせる技。43%の得票で79%の議席、前回は民主党が47%の得票で74%の議席、2005年は自民党が48%の得票で73%の議席を占めた。議席に結びつかない大量の「死に票」を生む、今回は小選挙区票の56%、3,730万票が「死に票」。―比例区での自民党の投票率は27・6%、1662万人。09年と比べ0・9%増で投票数は219万票減。
  ○「自民か、民主か」の「二大政党づくり」は破たん、今度は「自民か、民主か、第三極か」―とくに「第三極」持ち上げの大キャンペーン。民主党を離れた有権者が大量に棄権、一部は自民党に帰り、「維新」や「みんな」、「未来」にも流れた。
○高知県の共産党はもちこたえた―小選挙区で過去最高の24%の得票率(1996年得票数79,090票、21.79%)。得票率では、比例、小選挙区の両方、前回参院選からの伸びは全国最高。後援会や支持者のみなさんのお力のたまもの。全国的に果すべき役割はこれまで以上に大きく、県内では自民党の暴走にストップをかけることができる一番の政治勢力が共産党、との自覚のもとに奮闘する決意。
○自民党の政策が支持された結果ではない―長野・世論調査会の調査(選挙後)。「安倍内閣にやってほしいこと」の①被災地復興、②景気対策、「やってほしくないこと」の①憲法改定。TPPは「聖域なき関税撤廃を前提にする限り交渉参加に反対する」、消費税増税は「〇でも×でもない」、「脱原発依存」が公約。民主党政権ノーの審判が下っただけ。

(2)情勢を大局的にみる
○選挙結果から「一路反動化」や「冬の時代」「当分芽が出ない」との気分も―たしかに政治の表層を見ると反動的逆流が猛威を振るっているように見える。しかし深部では国民の変革のエネルギーが蓄積していることがくっきり見え、あちこちで噴出している。戦後続いてきた自民党型政治(財界の利益最優先、アメリカいいなり)と、国民との矛盾は抜き差しならないところまですすんでいる。
○「財界いいなり」はどこまできたか
*もっとも深刻な危機は日本を長期にわたって国民の所得が減り続け、経済が停滞・後退するという「成長しない国」にしていること(資料②)
―97年→11年の14年間で、雇用者報酬・所得は88%に減少、国内総生産は90%に落ち込んだ世界に例のない国になった。同じ時期に欧米諸国は1、4~1、8倍に。借金総額は国内総生産費で196%に。大型開発の無駄遣いと金持ち・大企業減税が直接の原因。同時に長期にわたる経済の停滞・後退、それによる税収の減少が根本にある。
*こんな国になった根底には「ルールなき資本主義」がある(資料③)
―労働条件、社会保障、教育、男女差別、環境、中小企業などあらゆる分野でノンルール、遅れた国になっている。この「ルールなき資本主義」とそのもとでの大企業・財界が目先の利益を追い求めて社会的責任を無視した身勝手な行動を行動をおこなってきたことが日本経済の基盤を脆弱にし、ついに経済成長という当たり前の経済目標とも矛盾するほど異常なゆきづまりを引き起こしている。
○「アメリカいいなり」はどこまできたか
*沖縄問題―一つの県の総意を丸ごと蹂躙している国が民主主義の国といえるか。
*米軍基地国家の実態(資料④)。戦後60年たって外国軍隊の基地が首都まで含めて網の目のように張り巡らされ、植民地のような訓練が強行されている。駐留経費負担はアメリカの他の25か国の総合計よりも多い。軍事同盟にある国の人口は世界人口の67%から16%へと激減した。根源には日米軍事同盟(資料⑤)
*エネルギー―55年第一回日米原子力協定、濃縮ウラン6キロと研究炉の導入。57年第二回協定。2、7トン、実験炉導入。68年第三回協定。154トン、敦賀、美浜、福島で建設決定。ゼネラルエレクトリック社の原子炉をコピー。現在、濃縮ウランの73%はアメリカからの輸入。唯一輸入しなかったのは原子力の規制体制。
*食料―主要国で最低の39%に落ち込む。いままたTPPで日本の農林漁業を丸ごとアメリカに売り渡そうとしている。

 (3)安倍政権には致命的弱点
○「危機突破」を標榜しながら打開策なしー安倍政権になったからといってこの根本的矛盾が解消されることはないし、逆にその矛盾はいっそう深まっていく。逆に本音が出るたびに国民の願いとかけ離れていく。
*TPP交渉参加表明―「コメなどを関税撤廃の例外にできる感触を得た」として交渉参加表明へ。TPPは「例外なき関税撤廃」「非関税障壁の撤廃」が大原則。カナダなど後から入った国もこの原則を適用されて参加へ。
*消費税―「引きあげ」に「反対」52%、「賛成」41%(「毎日」12月28日付)、「反対」53%、賛成」38%(年明けの「朝日」)。
○加えて「靖国派」という世界の流れに反する勢力がかなりの部分を占めていることは、それが発露すればするほど、国際的孤立を深めていく
*従軍慰安婦問題―「強制性を証明する文書がない」を根拠に「河野談話を見直す」との態度に対し、「強制性を示す文書はなかったが、慰安婦本人からの聞き取りの中、強制性があると内閣が判断し河野談話を発表した。との共産党志位委員長の追求に「これ以上論及しない」と。
*集団的自衛権-オバマ大統領から「中国を刺激する懸念がある」と難色。アメリカにとって最大の関心は中国との関係。米中戦略的対話という安全保障から経済に至る大規模なトップクラスの交流を毎年開いている。

2、賃上げでデフレ不況打開、雇用拡大へ
(1)診断も処方箋も間違っている経済政策“アベノミクス”
○「三本の矢」は①金融緩和②大型公共事業のばらまき―「国土強靭化計画」の名で③成長戦略―「規制緩和」。
*すでに市中に出回っているお金(ベースマネー)も政策金利も世界で一番緩和されている(資料⑥)。貸し出しが増えないのは需要が不足しているから。余ったお金は投機マネーに回って悪さをするだけ。
*公共事業積み増しは、90年代初頭にこれをやり続けて借金の山になり、景気回復はごく一部にとどまり不景気は続いた。線香花火といわれた。自治体財政破たんに導いた元凶だ。
*規制緩和―それこそ橋本構造改革、小泉構造改革で労働の規制緩和を強め、社会保障の自己負担を増大させたことが国民の所得を奪い、日本を成長しない国にしデフレ不況を作りだした要因になった。悪夢の繰り返しに。
*「三本の矢」は、すでに折れている。

⑵デフレ不況克服の一番の決め手は賃金の引き上げ
〇賃下げ、非正規雇用がデフレ不況の悪循環を作りだしている
*97年→11年比。企業全体の経常利益は1、6倍。雇用者報酬は88%。輸出は1、25倍、国内需要は1割減少。「国際競争力」といって乱暴なコスト削減で輸出は増やしたけれど働く人の所得を大幅に引き下げたために国内需要が減少し、デフレ不況へ。
*働く人を粗末に扱うことは「国際競争力」も低下させている。電機産業業界。「優秀な若い人は展望が開けず辞めていく。技術者がたくさん韓国のサムスン電子に移った。それでも会社は引き止めない。当面人件費を下げるほうが大事だから」(「東京」12月21日付 パナソニック元幹部の証言)。
〇内部留保の一部を賃金と雇用に還元させよう
*1%で大きな賃上げが実現する(資料⑦)。500億円以上の内部留保を持っている約700社の大企業グループでは、1%の取り崩しで8割の企業で月額1万円の賃上げが可能。月額5000円なら9割の企業で可能。
*内部留保が増えた時期は設備投資も減っており、余剰資金(有価証券、現金)として滞留している(資料⑧)。
〇政府が賃上げ目標を持ち、企業まかせにしない
*財界の間違った行動をただす―「企業が賃上げできる環境にあるのは確か」(麻生財務大臣)。ところが財界は「物価が下がっているから実質的な賃金は上がっている」とうそぶいている。
*違法・脱法の雇い止めや解雇、退職教養を政府の責任でただす
*賃上げ促進へ「5つの政策」実施を政府に迫ろう
①非正規と正規の差別をなくし、正規をふやす
②最低賃金を1000円以上に引きあげる
・賃金助成や税・社会保険料の減免などを中小企業への支援が決定的。アメリカ8800億円(5年)、フランス2兆2800億円(3年)、日本111、7億円(11年から13年度)。
・アメリカ、07年~09年の3年間で最低賃金41%引き上げ。540万人が賃上げ、全労働者の4%。「最低賃金引き上げは労働者にとってだけでなく、ビジネスと経済にとっても利益となる」(「経営者・重役の支持表明」07年2月8日)
③政府に賃下げ促進策の即時中止を求める
・公務員賃金の引きさげで1、2兆円ものマイナスの経済効果。さらに、民間賃金の更なる引下げの原因となっている。ただちに中止を。
・生活保護費の引き下げの中止を。最低賃金の抑制・低下、非課税世帯の減少で税・社会保険料負担の増大、就学援助世帯の減少など、あらゆる国民に貧困の連鎖をもたらす。
④大企業と中小企業の公正な取引ルールの確立
⑤デフレ不況促進の消費税増税をきっぱり中止させよう
  
⑶「賃上げでデフレ不況克服」が大きな国民的合意になってきている
    〇笠井質問で大きな変化。政府も認め、他党も繰り返し追及するようになり、国会内外で大きな合意がつくられつつある。いまが攻め時だ。
    〇「デフレが深刻化したのは企業が内部留保や株主配当に偏重し、人件費を圧縮したから。この認識なくして、金融緩和や公共事業で大盤振る舞いをしてもお金は回らない」(「週刊エコノミスト」1月15日付 横田恵美編集長)、「アベノミクスを逆さまから読むと『すくみのベア』・・・働く人の実入りは増えないのに物価は上がり続ける。これに消費税が重なると悪魔のシナリオだ」(「高新」1月23日付「小社会」)、「2%でデフレ脱却可能?賃金アップが不可欠」(「毎日」)、「物価高だけなら痛手、民間給与ピーク時から25兆円減」(「東京」)
    ○全労連「月額1万円以上の賃上げ」、連合「1%の賃上げ」。労働者の広大な共同で春闘をたたかい、それを国民的なたたかいに広げよう。

3、憲法改悪、民主主義破壊とのたたかい
 ⑴自民党改憲案(12年4月)を斬る(資料⑨)
 
 ①現行憲法の大原則をすべて否定、正反対のものへ
○前文―平和的生存権、「政府の行為によってふたたび戦争の参加が起こることがないように」の全面削除。「天皇をいただく国家」へ。
○9条―2項の削除。国防軍の設置。三つの任務(自衛戦争、海外での武力行使、治安出動)。軍人だけでなく、公務員もこの任務を遂行する責任を明記し、違反すれば罰する
○12条―基本的人権の尊重から、「人権は公の利益に反しない限り」と制限し、国家を主権者の上に置く
②地方自治の項目の改変の狙いは
○住民負担義務の明記、道州制も視野にいれている

⑵憲法順守義務を宣誓する公務員労働者の役割 
  ○憲法とはだれが守るものか。近代憲法の原則は立憲主義。99条「憲法尊重擁護義務」は「天皇、摂政、国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員」。だから公務員は権力の担い手と住民奉仕の2つの側面をもつので「宣誓書」に署名。
   ○憲法15条の「全体の奉仕者」規程は、公務労働者はその職種の如何を問わず、地域社会全体に対して貢献するものでなければならないという意味、もう一つは公務労働者個人はその担当する部署における専門的業務を通じて地域社会に貢献することである。
○公務員バッシングは、この憲法に依拠した公共性に対する攻撃。求められるのは労働組合の三原則(資本家らの独立、政党からの独立、一致する要求にもとづく行動の統一)にもとづく運動と、自治体労働者論の実践で、新しい公務員の姿を仕事と労働運動によって明らかにし広げていくこと。

⑶東アジアの安定のために
○北朝鮮問題―国連決議に背く核開発は言語道断。対話の枠組みに北朝鮮を出てこさせるという明確な目標を持った政策は必要。
○尖閣問題―三つの原則にもとづく対話による解決を。①日中双方が領土にかかわる紛争問題の存在を認め、冷静な外交交渉によって解決を図る。②日中双方が現状を変更する物理的、軍事的対応を厳しく自制する。③日中双方がこの問題を両国の経済関係、人的・文化的交流に影響を与えないように努力をはかる。
○歴史問題―河野談話、村山談話の見直しは許さない。「強制性を示す文書の存在がないから河野談話は見直す」は成り立たない。

 ⑷揺るがぬ国民多数派を草の根から  
 ○日本国民の9条への思いを見くびるな
*私の父親の体験。選挙中の対話の中から
*9条は「再び侵略国にならない」という国際公約。
*世界の流れの最先端。東南アジア友好協力条約。52か国、世界人口の68%の国が参加。「独立、主権、外国の干渉拒否、相互不干渉、紛争の平和解決、武力行使放棄」
○国民世論と9条
          東京11月20日 12月3日  毎日12月26日
*改正「賛成」―46、2%  →40、9%  →36%
*改正「反対」―35、1%  →41、3%  →52%
            選挙戦を通じて国民意識は確実に変化している。
○9条、25条など先駆的内容を現実の政治と社会に定着させるたたかいと憲法を守る運動は一体。憲法を力にたたかいをおこそう。
○決着はすべて国民にゆだねられている。

終わりに
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by haruna-naoaki | 2013-02-23 21:04 | Comments(0)